ペアリングや結婚指輪を華やかに飾る加工、ミルグレイン

2024/08/16 │##工房日記##

こんにちは、ついぶ柏工房です。

今回は指輪を華やかにする『ミルグレイン』について紹介をしていきます。
『ミルグレイン』はまたの名を『ミル打ち』とも言い、ついぶ工房でできるオプション加工のひとつ。

まずオプション加工とは、お客様が手作りした指輪をお預かりして、私たちついぶ工房の職人が加工して更にデザインをプラスする加工です。
通常は当日お持ち帰りが出来ますが、誕生石を指輪に埋め込んだり、装飾をもっとつけたいという方にオススメ。

『ミルグレイン』はそのオプション加工の中でも人気な加工ですので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

ミルグレイン・ミル打ちとは

ミル打ちやミルグレインと聞いてもパッとイメージがつかないかもしれませんが、ジュエリーショップに行ったことがある方や、ネットでジュエリーを見たことある方は「これのことなんだ!」となるかもしれません。

こちらの指輪、両サイドに細かなキラキラが並んでいますよね。

このキラキラの正体は“粒”

指輪のフチに粒が敷き詰められており、それが光沢を帯びることでキラキラと光り輝いているように見えるんです。
この“粒”こそがミルグレインのことで、これらを1つ1つ打ち込んでいく加工をミル打ちと言います。

ミルグレインはブランドやメーカーによって様々で、機械のようなもので打ち込んでいくものや、最初から粒がついている商品が売られていることもあります。
ついぶ工房のミルグレインは『全て職人が1粒1粒を手で打っている』のが大きな特徴です。

指輪をお預かりして、粒たちが綺麗に並ぶよう、丁寧に1つずつ打ち込んでいくことで
お客様の指輪がクラシカルな印象へ、そしてより洗練されたデザインへと姿を変えていきます。

 

ミルグレインのデザイン例

粒を打ち込んでいくミルグレインですが、その打つ位置にも種類がいくつかあり
ミル打ちだけの加工でも華やかで、その他のオプション加工と組み合わせることで更に煌びやかなデザインにもなります。

一体どんなデザインがあるのか、ご紹介していきます!

両サイドミル × シンプルな甲丸

シンプルで使いやすい上、上品な仕上がりになります。
派手過ぎないシンプルデザインがいいけど、もう一味欲しいなという方にもオススメです。

両サイド・センターミル × 石留

小粒のダイヤモンドなどをプラスで埋め込むと、より煌びやかに仕上がります。
両サイドだけでなく、指輪の真ん中に粒を並べるセンターミルも可愛いですね。

片側サイドミル × マット仕上げ

ミルグレインをプラスするとキラキラした仕上がりになりますが、
光沢を抑えマット調にすることで落ち着きのあるデザインに仕上げることもできます。

両サイドミル × 甲丸槌目

手作り感のある槌目型デザインにミルグレインを合わせることで、よりいっそう特別感と存在感のある指輪へと変わります。

両サイドミル × コンビカラー

ひとつの指輪に複数の素材を使うコンビリングはそれだけでも存在感がありますが、ミルグレインをプラスすることでより豪華な仕上がりになります。

両サイドミル × 唐草手彫り

伝統技法として伝わり、ついぶ工房が紡いできた技術でもある『和彫り』と『ミル打ち』は親和性が良く、定番の組み合わせとされてきました。
伝統技法を詰め込んだ特別感あふれるデザインを希望する方、オススメです!

覆輪ミル × ダイヤモンド

プロポーズに使われる婚約指輪には爪留めを用いられることが多いですが、ダイヤモンドの周りをミルグレインで囲うことで花のように美しく仕上げることもできます。                                                                                                                                                                                          

覆輪ミル × センターミル × ダイヤモンド

ダイヤモンドを囲うだけでなく、指輪にもセンターミルを施したデザイン。ダイヤと指輪を繋げるミルが統一感を持たせてくれ普段使いもしやすくなります。

 

なぜ“粒”を打ち込む技法なのか

ここまでのお話やデザインの中で、ミルグレインが指輪の美しさをより引き立てるものであることが伝わったのではないかと思います。
その一方で、なぜこのような細かい粒を打ち込むのか。
デザイン的な見方だけでなく、実はそのことにも意味があるんです。

次はミル打ち、その粒の意味についてお話ししていきます。

ミルグレインは英語ではなくラテン語で、「Milgrain」と書きます。
これは分割して単語になり
「mil」は「千」、「grain」は「粒」という意味があります。
直訳すると「Milgrain」は「千の粒」ということになりますね。

ミル打ち自体は粒が並んでいるので「千の粒」という表現は納得できるかと思いますが、それ自体どういう意味があるのかは少し伝わりにくいですね。

千の粒という言葉はたくさんの房を持つ穀物のような「豊穣」の意でもあり、
そこから「子宝に恵まれる」「幸せが多く来る」「長生きできる」という意味合いに繋がり、縁起の良いデザインとして古くから親しまれてきました。
特に結婚指輪において、こういった意を込められるのは嬉しいですよね。

その一方で、ミルグレインのデザインを希望される方々はそうした縁起の良さより「綺麗、可愛い」というデザイン性が気に入って選ばれる方も多いのではないかと思います。
まずは身に着ける指輪のデザインが気に入ってこそ、「このデザインにはこんな縁起の良い意味もあるんだ!」といっそう指輪に愛着が湧くものになりますよ♪

ぜひご検討くださいませ。

 

指輪完成までの流れ

通常、オプション加工がない場合は当日に指輪をお持ち帰りできますが
今回ご紹介した『ミル打ち』をご希望の場合は約4週間ほどのご納期が発生いたします。

どのような流れで指輪が完成するか、ご予約段階から説明していくのでご参考になれば幸いです。

STEP 01 ご予約 

ご予約・お問い合わせページのカレンダーで予約状況をご確認の上、予約フォームまたはお電話(04-7128-5507)にてご予約ください(お席に空きがあれば、予約なしでもご案内可能です)。※お急ぎのお客様は、その旨を予約時にお伝えください。

STEP 02 ご来店・相談お見積り

実際の金属や制作サンプルをご覧いただきながら、指輪のデザインを決定します。経験豊富な専任スタッフが詳しくご説明・ご提案いたしますので、具体的なイメージがなくてもご安心ください。

STEP 03 ご制作

専用の工具を使用し、金属を叩いたり曲げたり、ガスバーナーで溶接して指輪を作っていきます。スタッフが優しく丁寧にサポートするので、初めての方でも安心して作業に取り組めます。

STEP 04 完成・お預かり

指輪の制作が終わって一度完成した後、ミルグレイン加工をご希望の場合は一度指輪を工房にてお預かりいたします。
※加工をご希望されない場合、お作りいただいた指輪は当日にお持ち帰りいただけます。指輪は専用のポーチまたはケースに入れてお渡しいたします。

STEP 05 ついぶ工房にて加工

ミルグレイン加工やその他のオプション加工は、お預かりし、私たちついぶスタッフが加工します。
お預かり期間は約4週間となります。
※短納期をご希望の場合はご予約時やご制作時にあらかじめスタッフまでその旨をお伝えください。

STEP 06 完成・お受け取り

完成後、指輪をお渡しいたします。
お渡し方法は『ご来店』または『お届け(送料あり)』のどちらかとなります。ご制作時、ご都合良い方をお選びください。
なお、ご来店の場合は予約の必要はございません。